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【読書】本を読まない人が読んだ本 1

生涯の平均で見ると年に1冊も本を読んでないんじゃないか?ってくらい読書が苦手な私。

 

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※今読んでいる短編小説集「TVピープル」(村上春樹)

 

「野菜も食べなきゃ・・」と似たような感覚で「本読まなきゃ・・」というプレッシャーがいつも心のどこかにかかっているせいで苦手と言ってるだけで、たまに読んでみたら楽しいしためになるし暇潰せるし決して嫌いというわけではないが、いかんせん数百ページを何日もかけて少しずつ継続して読み進め続けるということが難しい。

毎日目先のタスクや興味関心にフラフラと流されて時間を消費してしまうと、つい読書のことは忘れてしまったり後回しにしてしまってやがて置き去りになって読み終えることができない。かと言って日々のルーチンとして組み込むほど優先順位(興味・関心度)が高くない。このように読書に対して過去に何度も挫折を繰り返しているため負の印象を拭えず、苦手と言わざるを得ない。

そんな私だが最近長風呂するための娯楽が欲しくなったので、読んでいない本を入浴がてら読んだら一石二鳥だなと思って埃を被った本を風呂場に持ち込み始めた。するとなかなか悪くないペースで読書の習慣がついてきた。

 

というわけで、「読書苦手な私が風呂で読んだら意外と読めました」という日記としてここで終わりにしてもいいくらいだが、一応読んだ本と読んで思ったことを記しておこうと思う。ほぼ内容にも触れていないのでレビューなんて大層なものではなく、ちょっとした内向きな感想である。
※もっと軽いノリの予定だったのに、長くなってしまった。

 

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「コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術」阿部広太郎

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2020年3月〜4月ころに本屋で見かけてサッと手に取った広告にまつわるビジネス本。

当時、2月に勤めていた会社を辞めた直後にコロナが大流行してしまって転職活動がイマイチやりづらい時に、単純に暇だったという理由と、書籍(楽譜・教則本方面)の編集に就こうかとも視野に入れていたので、本屋で平積みされて目立っていた「売れそうな本」の参考としてチョイスした本。

「見かけてサッと手に取った」「平積みされて目立っていた」と述べたように、この本のタイトル・企画の訴求力・マーケティングなどの総合力を自分は売り場と本を一目見た時点で無意識に認めている。内容はそこまで必要としているものではなかったが、このように手に取ってしまう本の魅力(訴え方)や購入者の心理を理解するために有効な本だと思っていた。

※正直に言ってしまえばその程度の動機だったので買って満足して2年も寝かされてしまっているのだが。。

とは言えどんな仕事に就こうにも役立つノウハウや考え方があるんじゃないかと思って読んでみたら、実際仕事だけでなく生活にも役立ちそうな情報や発見がたくさんあった。

しかし、3/4ほど読んでみて結局最後までは読みきれなかった。良くも悪くも著者の人間性が強く表れていてそこが自分とは相性があまり良くなく、充分満足と思える時点で自ら読了とした。

※失礼な人だ嫌な人だとか、そういう悪い印象ではないです。

著者の人間性と相性が良ければ自分にとっての広告バイブルになったかもしれないが、どうだろうか。

自分にとっての読書(苦手)においては、書き手がどんな人間かがあまり強く出ていない方が都合が良いんじゃないかというのが1番の発見だったかもしれない。それはもちろん本のジャンルやターゲットによって違うんだと思うし、この手の本で著者の顔が見えないとただの説明書みたいになってしまうかも。難しいな。

レビューを見る限り心をつかまれた読者の方も多いみたいです。

 

 

TVピープル村上春樹

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1990年に発行された短編小説集。6編ある中で、表題の「TVピープル」ともうひとつの作品を順に計2編を読み終えただけだが、面白い。

言わずと知れたと言って差し支えないであろう村上春樹氏。この方の作品を自分は1作も読んだことがなかった。

この「TVピープル」の文庫本はいわゆる”借りパク”状態になっている本で、借りたのは12〜13年前くらいだと思う。読み始めたのは先週。。持ち主に報告したら呆れて笑うだろうな。

借りた相手は当時好きだった女性。文学部出身で雑誌の編集をしていた生粋の本好きである彼女は村上春樹氏の作品が好きで、読書が苦手な自分でも読めそうなボリュームのもの(1作が短い)を貸してくれたのだと思う。たしか、多分。

 

2編どちらにも共通して感じた魅力は「想像のし易さ(誰にでも描ける身近な景色)」と「想像のし難さ(経験したことがないぶっ飛んだ内容)」のコントラストが強くて面白いにも関わらずその2つの調和がとれている点。

よくわからないことを言われても突き放された感じがしなくて興味をそそられ、脳内にその景色を描こうとさせられる。結局最後までよくわからなくても、「想像のし易さ」の部分のおかげでなんとか最低限の景色を描けるので、脳内に読者なりの作品が成立して、なんだか読み切ったような気にさせられているのかなと感じた。正直理解しきれてはいないけど、充分楽しめた。続きも楽しみだ。

 

感想とは別の話になるが、今のところどの作品も主人公は男で必ず相手の女性がいて、両者の性的な関係を描く話もある。

読みながらふと当時の持ち主に対して「まさか、あの時この本を自分に貸してくれたことに何らかのメッセージが込められていた?」なんてことを十数年越しに勘ぐってみたりして、久々に湧きあがった童貞マインドと妄想が楽しかった。こういうピュアさやロマンチスト志向が未だにコンニチワしてしまうのは独身の良くないところだと思っている。さっさと家庭や子育てに忙殺されてリアリスト(大人)になるべきだった。

 

持ち主と最後に会ったのは10年ほど前。共通の知人の葬式で会って、その時に結婚の報告を聞いた気がする。それ以来連絡をとっていない。

「本を返したい・感想を伝えたい」なんて急に連絡したら面白そうだけど、いい年齢の既婚者への接触は不穏極まりない。

 

自分でネタにして小説でも書こうかな。
これだけじゃ弱いから脚色して転生もさせよう。

 

続くかなぁ、読書。。

 

ナ〆ナナメ(文豪見習い)