持っているギターを紹介したい……。
ギタリストにしか伝わらないような用語や前提を排除して、誰にでも伝わるような内容で紹介したい……。
前回はただ「ギター」と呼んだそれがエレキギターである前提で話を進めてしまって反省した。エレキギターがどんなものかという説明は割愛し、想像にお任せする。
↓主に使っているギター2本の写真↓
【右】Crews Vegas V2.(2022年製)
※【左】については
にて。
【どんなギター?】
国産ブランド「Crews Maniac Sonud」のエレキギター「Vegas」。ジョンレノンが愛用したことで知られるギターの名器「CASINO」と仕様で近いところがあり、「カジノといえばラスベガス」ということで「ベガス」という名前の由来らしい。
先日紹介した「ストラト」をずっとメインで使うつもりでいたが、ストラトをリペアに出した時や、万が一のトラブルが起こった時にサブで使えるそれなりのギターがもう一本必要と思ったのが購入のきっかけ。
※サブと言いながら値段だけで言えばストラトを上回ってしまった。
買ってからまだ3ヶ月だが、もうずっと弾いてきたかのように手に馴染んでいてとても気に入っている。
【よく鳴るギター】
このギターの1番の魅力は「生鳴りの良さ」だと感じた。
一般的なエレキギターはアコースティックギターと比べると、本体に空洞の部分がほとんどない。よって、アンプに繋がずにギター本体が鳴る音「生音(なまおと)」は、あまり音量が出ず、響きが聴き手に充分には届かない。
※空洞が多くて生音もよく鳴るエレキギターもあるが少数派なので割愛。
アンプに繋いで音を大きくする前提のエレキギターでも「生音」、厳密に言うと「生鳴り」が評価の基準として注目されることがある。
※「生鳴り」は、聴き手が聴いている生の音のことではなく、弾き手がダイレクトに感じている、楽器が音を発している状態や振動そのもののこと(だと思っている)。諸説あるというか、正解があるのだろうか。
Crewsのギターは「生鳴りが良い」という噂を聞いていた。しかし、私は正直なところ生音の重要さは全くと言って良いほど気にしたことがなく、どうせエフェクターやアンプを通せば生音なんてわかんなくなっちゃうだろうという考えでいて、新しいギターを選ぶ時には重視していなかった。
しかしこの「Vegas」を弾いたらその考えは覆された。コード(和音)をジャランと鳴らすと体に伝わってくる振動と空中に漂う音がまるでアコースティックギターのように豊かだ。ここで鳴っているのに向こうから聴こえるような……。ちょっと大げさだが、私がそれまでに知っていたエレキギターの生音と明らかに違っていた。響きが豊かなのでコードを弾くのがめちゃくちゃ気持ちいい。私はそれまでコードをかき鳴らすというよりはメロディを歌うプレイスタイルが好みだったのだが、このギターを持ってからコードの響きを楽しむ演奏に夢中になっている。
結局音はアンプから出すわけだが、アンプから出る音もよく響いて、天然のリバーブ(ホールの残響をシミュレートした効果)がかかっているかのように、少し遠くで鳴っているように感じる。
※本体の鳴りが要因であるかは定かではないが。
必ずしもよく鳴るギターが良いかというとそういうわけでもないが、ギターの個性(音色)に大きく関わる要素だとは言えると思う。実際、このギターが与えてくれるインスピレーションは、ストラトのそれとは全く違う。
【国産だから?弾きやすい】
音の気持ちよさもさることながら、弾きやすさも素晴らしい。国産だから日本人向けの仕様に作られていて手に馴染むというのが大きな要因だろうか。
そしてとても軽い。割と軽い方のストラトよりも軽い。このギターのせいで本来軽いストラトを重く感じてしまうようになった。このギターにあえて不満な点を挙げるとしたらこの罪深い軽さだ。
【個性を楽しむという発見】
新しく手に入れた楽器なので新鮮さを感じているし、ひいき目に見ている部分も自覚しているが、本当に不満のない素晴らしいギターで、ストラトと同じくジャンルを問わず使えると思う。
ただ、もう一本のストラトでしか出せない音やプレイがあるし、このギターにもまた然り。今となってはストラトの方が扱いやすさとしては劣っているのだが、ストラトを弾いている時は感情がよく乗るような気がするし、プレイに渋さが出る気がしてる。Vegasはまだまだ知らない魅力が見つかりそうだが、とにかくコードの響きの気持ちよさが特筆。
といったように、ギターそれぞれの個性に引っ張られて自分の演奏が変わっていくのを実感できてすごく楽しいという醍醐味を、このギターを持ったことで再認識できた。
音を聴いて欲しいなー。(何かアップしようかと企むも、文章だけで力尽きてしまった)
ギターは最高。
ナ〆ナナメ(ギタリスト)